プートン葡萄酒:青山さん
日本で数少ない中国寧夏省産のワインを販売する青山さんは、高品質な中国ワインを日本に広めたいと、2018年から寧夏省の「寧夏ヤンヤン国際ワイナリー」からワインを輸入しています。 他のワインインポーターでは扱わない独創的で個性的な高品質ワインを販売している青山さんにインタビューをしました。
中国では紀元前からのワイン醸造の痕跡が考古学的に発見されていますが、近代的ワイン産業は1892年に張裕(チャンユー)が設立されたことから始まります。
1980年代以降の改革開放政策の下、中国のワイン産業は急速に発展し、2015年には中国のブドウ畑の面積は82万haと世界第2位、ワイン生産量は11億リットルと世界第9位、ワイン消費量は16億リットルと世界第5位の数字を記録しています。
およそ9000年前の新石器時代の河南省の遺跡からはワインのものと考えられるワイン由来のタンニンの痕跡を持つ土器が発見されています。文献として確実なものは漢の武帝の時代西域に派遣された張騫がワイン醸造用のブドウであるヴィティス=ヴィニフィラを中国に持ち帰りそこから中国でのワイン醸造の歴史が始まります。
李白や杜甫のような有名な詩人たちもワインを題材とした漢詩を詠み、ワイン産業は発展し元朝の時代に最盛期を迎えます、当時の王朝はワインを非常に重要視し王宮内にワイン用のブドウ畑があり祭事用の酒として馬乳酒とともに飲まれました。
その後の明朝や清朝の時代には白酒と呼ばれる穀物の蒸留酒の人気が高くワインの生産は停滞しましたが、清朝末期に欧米との交易が始まり中国のワイン産業の発展が再開します。光緒18年(1982年)に山東省の煙台に中国で初めての近代的ワイナリーである張裕葡萄酒醸造公司が張弼士により設立されました。
その後張裕葡萄酒醸造公司は戦争などの要因により1948年に倒産していましたが、中華人民共和国成立後にはワイン醸造を再開し、80年代以降の改革開放政策の下素晴らしく速い速度で発達しています。
北緯45度以南の長白山山麓と東北平原に位置しています。冬季はマイナス30~40度にもなる極寒の地域であるため、ヨーロッパ産のワイン用のブドウでは凍死してしまいます。そのため寒さに強い地の野生の山ブドウが主力のブドウとなっています。
天津や山東省の北部に位置する中国ワインの半分の生産量を記録し中国の半分のブドウ畑を有する最大のワイン生産地域が渤海湾です。中でも張裕(チャンユー)の開業の地として広く知られる煙台は「中国ワインの発祥地」として広く知られています。
栽培されているブドウはカベルネソーヴィニョン、カベルネフランやシャルドネなどの様々な国際品種に加えて、中国の地ブドウである蛇龍珠(シャーロンジュウ) も栽培されています。
寧夏回族自治区の北部に位置する寧夏地区は数百万年にわたる地質変化の中で、旱魃や風蝕により東の銀川盆地と西の賀蘭山という独特の風景を形成しました。銀川盆地と賀蘭山の標高差は実に海抜2400メートルにもなります。
黄河から運ばれてきた土砂は何万年にも渡り堆積し南北に320km、東西に10~50kmに広がる1万平方キロメートルの銀川平原を形成しました。
寧夏の北西に位置する賀蘭山。南北に約200キロメートルに渡るその雄大な姿はまるで馬の群れが駆けているようです。標高は海抜3556メートルにも達し、中国の気候風土を「砂漠と草原」に、そして人々の生活様式を「放牧と半農半牧」に分ける境界線でもあります。この雄大な賀蘭山は内陸部からの冷たい風の流入を防ぎ、霜害からブドウを守り、また隣接するテングリ砂漠からの流砂を防ぐ天然の壁として重要な役割を果たしています。賀蘭山東麓には、かつて農耕と放牧が融合した西夏王朝文化が栄えていました、そして今ワイン文化がこの地の文化にまた一つ加わろうとしています。
総長397キロメートルにわたる黄河が、平均海抜1100~1200メートルの平坦な寧夏平原をゆったりと流れています。寧夏・賀蘭山東麓では、ワイン産業にとって重要な水をこの黄河から灌漑によって得ています。寧夏平原では、古く秦や漢王朝の時代から灌漑が行われていたことが判明しています。乾燥地帯ではありますが、黄河の恩恵で稲作が発展してきました。その様子は米どころとして有名な中国江南地方に例えられ、「塞上江南(辺境の江南)」とも呼ばれていました。
寧夏の賀蘭山東麓は、世界で最も素晴らしいワイン醸造用ブドウの栽培に適した黄金地帯の一つとして認められています。とあるワインコンテストにおいて中国産の受賞ワインの60%が寧夏産ワインであったことからもその卓越したクオリティーがわかります。上海の調査会社は寧夏ワインのブランド価値を271億元と評価しています、それは中国の様々な商品の原産地証明の中で第14位という結果です。
寧夏賀蘭山東麓は中国国内で最も理想的に政府により法整備されたワイン産地であり、多くの投資家を引き付けています。中国で最もワイン醸造用ブドウが集中して栽培されている産地であり、現在のワイン醸造用の葡洞の作付面積は57万ムー(38000ヘクタール)にもなります。年間生産量は1億2000万本(約200億元)で、ワインは既に寧夏を代表する産品になっています。
中国政府は2003年、原産地証明の法律(地理標示保護産品)を制定し、寧夏賀蘭山東麓産ワインを正式に保護しました。保護範囲内は4つの都市(石嘴山市、銀川市、青銅峡市、紅寺堡市)に跨がり総面積20万ヘクタールに渡ります。
※ 原産地証明(地理標示保護産品) 元来「原産地域保護産品」と呼ばれていた法律は2005年に「地理標示保護産品」へと改名されていました。それは決められた特定の地域の材料を使用し、特定の製法で作られた商品の品質を守るための厳格に制定された法律です。
日本で数少ない中国寧夏省産のワインを販売する青山さんは、高品質な中国ワインを日本に広めたいと、2018年から寧夏省の「寧夏ヤンヤン国際ワイナリー」からワインを輸入しています。 他のワインインポーターでは扱わない独創的で個性的な高品質ワインを販売している青山さんにインタビューをしました。
シャトーコパワージェイドジャパン株式会社は、中国寧夏回族自治区にありますフェイツェイのワイナリー“コパワージェイドワインズリミテッド”の日本の現地法人です。 中国が知られざるワインの大国であり、その先進的な地である寧夏のワインを日本市場へ布教させる事が私の使命であり、それが結果として当ワイナリーのワインを広く楽しんで頂ける事に繋がると思っています。