プートン葡萄酒:青山さん

現在のお仕事や、取り組まれていることを教えてください。

東京都台東区でワインインポーターをしています。開業してはや2年、当初は「寧夏ヤンヤン国際ワイナリー」のカベルネ・ソーヴィニヨン リー 2013年の1アイテムのワインしか輸入していませんでしたが、現在は「寧夏ヤンヤン国際ワイナリー」の赤ワイン5アイテム、白ワイン1アイテム合計6種類の中国高品質ワインを取り揃えています。
まだまだ日本の消費者の皆様にはどのような味なのかピンと来ない中国ワインを紹介するために2019年に東京でワインセミナーを開催しました。

どのようなセミナーを開催しましたか?

2019年に東京白金台の八芳園で開催された「ワインコンプレックスインターナショナル」に合わせて、寧夏ヤンヤン国際ワイナリーのオーナーである「何宏(フー=ホン)氏」を招聘しワインセミナーを開催しました。中国ワインの基礎的なことをテイスティングしながらのセミナーで開催し共同ニュースの取材も受け満席のお客様からは大変に好評を博しました。
寧夏自治区のワイン、日本で売り込み
また、将来も中国高品質ワインを楽しめるようにいろいろなイベントを企画しています。

青山さんは元々フランスでワインを勉強していたそうですが、どのような経緯で中国ワインの販売を始めたのですか?

私は2004年にワーキングホリデーでフランスに渡りました。当時はワインなどに大して関心があったわけではなかったのですが、あまりフランス語を使わない仕事を探している中でブルゴーニュのサントネーという村にある小さなワイナリーで働くこととなりました。

フランスに渡った当初は半年くらいフランスで生活し帰国しようと考えていましたが、ワイナリ一での生活が性に合っていたようでその村で結局2年間ワインを作り、その後ボーヌという町にある農業学校でワインマーケティングを2年間勉強し、2004~2008年の合計4年間フランスに滞在していました。

そのフランスでの生活の後、その様な経緯で中国に行くことになりましたか?

フランスの学校にはスタージュと呼ばれる研修制度があります、その研修中働いていたワイナリーが参加した北京での展示会で上海人のワインインポーターと出会い中国にブルゴーニュワインを紹介するべく上海に渡りました。

 

残念ながらその会社は私が上海に渡り2年後に業務を終了してしまったのですが、急激に成長する中国のワイン市場に魅力を感じそのまま上海でワインビジネスに携わりました。
その結果2017年まで実に10年近く上海で生活することとなりました。

その上海のワインビジネスの中で中国ワインに出会ったのですか?

中国に来たばかりの頃2008年に、はじめて中国産ワインをカルフールなどで有名どころの中国ワインを買って飲んでみました。値段は日本円で400円ほどと大変安価なのですが、味わいは薄くて酸っぱいというお世辞にも美味しいとは言えないものばかりであった印象で強く商売にはとても使えないものばかりでした。(色も薄く酸味も強すぎるので料理酒としても使用が難しかったです)その為上海時代に輸入していたワインはヨーロッパ産のものばかりでした。

青山さんにとってあまり印象の良くなかった中国ワインの印象が変わったきっかけはどのようなものでしたか?

それは2017年に香港でのHONG KONG INTERNATIONL WINE & SPRITS FAIRで寧夏ヤンヤン国際ワイナリーのカベルネ・ソーヴィニヨンを飲んでからです。

それまでの料理酒としても問題があるレベルの中国ワインと異なりいきなり世界レベルの高品質中国ワインが現れたので非常に驚き、早速自社のワインバーやレストランで販売してみたところ日本人のお客様に大変好評を受けました。

 

初回で仕入れたワインは直ぐに売り切ってしまいましたが、お客様の「中国ワインないの?」というたくさんのリクエストから私が上海を離れるまで常にオンリストされ好評を受けていました。

当時から高品質な中国ワインは中国の富裕層では人気でしたか?

比較的ワイン文化がある香港や広州などでは受け入れられていたものの、残念ながら上海や北京などの大都市ではまだまだ輸入ワインに対してのブランドイメージが高く中国人富裕層もそれらのワインばかりに購入していた印象があります。当時寧夏ヤンヤン国際ワイナリーのワインを上海で購入していたのは私の会社だけというのが実情でした。
中国人にとってはやはり大メーカーの作る昔ながらの低品質なワインの印象が強く、逆に偏見のない日本人にとっては高品質な中国ワインという分野が受け入れやすかったのかもしれません。

その後2018年から中国ワインの日本での販売を始めたわけですが、日本のお客様の反応はいかがでしたか?

品質面では中国ワインは認めていただけるのですが、中国のワインに対してのイメージが全くわかないお客様が多くいらっしゃるのでその点では苦労しております。
やはり、現在でも中国は世界第7位の生産量を持つワイン大国でもありますので、今後も展示会や試飲会などこちらも様々なアピールをお客様にかけて行きたいと考えています。

ケンモトさんの現在のお仕事や、取り組まれていることを教えてください。

中国が知られざるワインの大国であり、その先進的な地である寧夏のワインを日本市場へ布教させる事が私の使命であり、それが結果として当ワイナリーのワインを広く楽しんで頂ける事に繋がると思っています。しかし、現在のコロナウイルスの影響に加えまして、そもそもの中国或いは中国産品に対する日本人の認識がその浸透を鈍らせている事から、それらを克服する為にも試飲頂く機会がある場には積極的に参加させて頂き、どこに行っても寧夏のワインを目に出来る、そんな将来を夢見て日々頑張っております。

中国ワインの魅力を教えてください。

日照時間が長く、灰色土で、降水量が少ないなどを特徴とする土壌に恵まれ、中国のボルドーと称される寧夏地区のワインが、中国ワインの魅力そのものかと思います。僅か10年程で200を超えるワイナリーが建設され、近年では700以上の国際的な賞を受賞するなど、中国ワインは既に世界標準の品質に辿り着いております。
又、当ワイナリーのワインに於きましても、「第7回サクラアワード2020」でエントリー致しましたワインすべてが受賞するなど、高い評価を戴いております。その逸話として、当ワイナリーのワインをブラインドテイスティング頂いた方に中国ワインである事を明かした時の驚きの瞬間が、その事実を物語っているかと思っています。
これからは更に独自の風味が加わり、オールドワールドでもニューワールドでもない違った進化を遂げてくれるものと期待しています。

現在フェイツェイ のワインはどのような販路で販売していますか?

昨年末に初入荷し、販路を拡大しようと致しました矢先にコロナウイルスの影響でその活動が大きく制限されてしまいましたので、現在の処は、自社のHP及び試飲会などでご興味をお持ち頂きましたワインショップ様や飲食店様など限定的なチャネルへの販売に止まっております。
今後、コロナウイルスの影響を教訓にしてワークスタイルが変化して参りますので、その動向に合わせてお客様のお手元により届き易い販路を重点開拓したいと考えております。

将来的に中国ワインは日本のワイン市場でどのような位置づけになると思いますか?

「中国産」という一つのポジションを確立して欲しいという希望はあります。 しかし、国を挙げて日本市場の開拓に注力したチリワインの様な政策が取られるとは考えられませんし、置かれた環境も異なりますので、時間が経てば自然にそうなっているという事はあり得ません。
ですので、「独自の風味」と上述致しましたが、中国ワインのより鮮明な特徴を作り出した先に、自ずと皆さんが認めたポジションに位置づけて頂けるものと考えております。